二十四節気、七十二候


SproutingGarden-萌ゆる森-【風と星のような物語り】
芸術の森、佐藤忠良記念子どもアトリエに展示させて頂いてます、
作品『風と星のような物語り』。
こちらの展示でも、会場の壁や、そして窓ガラスにも言葉を紡ぎました。
窓ガラスの言葉は、その日の天候や時間によって
言葉の見え方が全然違ってくるんですね。
なので、晴れた明るい昼頃などはもしかしたら気付かれないで、
という場合もあるかも。。。ちょっと外が暗い日や、陽が沈んだ後の方が
言葉は見やすかったりもするのですが、
逆に、『あれ?』っと、気付くか気付かないか、
それぐらいの方がいいかな、と思いまして。
なにせ、窓から見える緑の樹々の風景が美しいので、
それをまず壊したくないなと。言葉が先に
見えるのではなく、
その風景が見えた後に、実は言葉があったんだ、と言うような。
その中の一つで、会場奥、緑の樹々が見える窓に紡いだ言葉。
昔から書いてきた言葉に、日本の美しき四季を表す言葉を入れました。
日本の季節を表した暦、二十四節気、七十二候です。
この事を知れたのは、今年の、6月(くらいかな?)
墨絵アニメーション作家の横須賀令子さんにお逢い出来る機会がありまして。
横須賀さんが手掛けたお仕事で『うごくえこよみ』という作品で
この事を表現された作品があり、その時、
この七十二候の事を教えて頂けたんです。
そして何より、その映像が素晴らしく美しいんです。
(YouTubeなどで『うごくえこよみ』で探すと出てくると思いますよ)
本当に本当に美しくて感動して。
5年くらい前に横須賀さんとお逢いして、
その時から横須賀さんの墨絵のアニメーションの作品はどれも
とても好きで、そして、この作品もさらに大感動でした。。。。
(横須賀さん、本当にありがとうございました。)
それから、
その二十四節気、七十二候の本を探して読んでいたんですね。
その言葉達が本当に美しくて、
今回のこの『風と星のような物語り』の中に入れたいと思ったんです。
日本の暦では、実は七十二もの四季を見いだし、表現した言葉があるんです。
太陽の高さが最も低くなる、『冬至』。反対に最も高くなる『夏至』。
その間を『春分』『秋分』。この四つを基準に、二十四等分したのが、
二十四節気だそうです。
二十四節気にはそれぞれの季節を表した名前がつけられました。
一年を二十四等分すると、大体十五日おき。
そしてそれをさらに五日おきに自然の様子を
表し添えられた言葉が
『七十二候』なのだそうです。
私たちの先祖様、先人の方々は、農耕作業のその時その時の
作業の時期を知るのに、二十四節気、七十二候を感じて、
太陽の動き、月の動き、そして自然と一体となって生きてきたんですね。
私が窓に紡いだ言葉は、
春、『東風解凍(ハルカゼコオリヲトク)』
夏、『寒蝉鳴(ヒグラシナク)』
秋、『天地始粛(テンチハジメテ サシム)』
冬、『鹿角解(サワシカノツノオツル)』
そして、
『霞始靆(カスミハジメテタナビク)』
というこの5つの言葉を書きました。
一年の 四季の移り変わり、春から夏へ、夏から秋へ、秋から冬へ。
そして、また、冬から春へ。
それをこの5つの言葉を織り交ぜて紡げたらと思いまして。
もちろん、それぞれの言葉に意味はあります。
この中で、『霞始靆(カスミハジメテタナビク)』を入れたかったのは、
そうですね、やっぱり『霞(カスミ)』が入ってるから^^
『天地始粛(テンチハジメテ サシム)』は今回の展示で、
「天と地」を深く意識して創っていたこと、
そして、『鹿角解(サワシカノツノオツル)』の『鹿角』は大鹿のことだそう。
今回もムースを描いていたので、迷わずこの言葉を。
そしてもう一つ、
『寒蝉鳴(ヒグラシナク)』のこの言葉は どうしても入れたかった。
もともと、この七十二候を知る前から、
『ひぐらし』という言葉がとても好きだったんです。
とてもこの言葉に惹かれて。
『ひぐらしが鳴く頃』って言葉が好きで。
なんだか、美しさと、そして、とても切ないような、悲しさのような
そんな感じがして。なんだか忘れてはいけないような出来事が
この言葉の中にあるような、そんな感じをいつも思ってました。
(・・・少し話は変わるんですが、『少年時代』って歌ありますよね。
井上陽水の。あの歌が大好きなんです。
小学生くらいかな?初めて聞いた時、不思議な感覚を味わったんです。
あの曲を聴いて、すごくすごく懐かしい気持ちと懐かしい記憶が
蘇ってくるような不思議な感覚 になったんです。
なんの記憶なのか、本当の記憶なのか、、、それもよく分からないのですが、
走馬灯の様に、昔の懐かしい記憶が、わーっと、駆け巡るような感覚でした。
でもそれは、今の自分ではなく、自分だけど自分じゃない。
男の子なのか女の子なのかも分からない、でも昔のような風景、
はっきりとは見えないけど、不思議な、でも自分の想い出のような。
はっきりと見えない風景、人物、でもなんだか確かに感じたのは、
日本であり、日本人であり、、、、
でもそれが、楽しい嬉しいと言う感情ではなく、
どちらかというと、悲しい、感情を思い起こすようなそんな感じだったのは
はっきり感じて。。。。 )
話が脱線しましてすみません。
その曲を聴いたときの感情と、
『ひぐらし鳴く』という言葉を知った時に感じた感覚が
似てる感覚だったんですね、それで、どうしても
夏の四季の所には、この『寒蝉鳴(ヒグラシナク)』を入れたかったんです。
日本の伝統色の言葉とかも本当に美しいですよね。
こういう日本の美しい言葉が
忘れ去られることなく、ずっと残っていってほしいですよね^^
会場には入れなかった言葉ですが、
七十二候で他にも好きな言葉はたくさんあり^^
その一つが『玄鳥去(ツバメサル)』9月18日〜22日ごろ。
一番の理由は、、、自分の誕生日の時期にあたる言葉だから^^
この燕は、『常世国(永遠不変の理想郷)』からくると言われてたそう。
春にやってくる燕は、南の国へ帰っていき、
そしてまた、春に暖かな風を連れて戻ってくるんですね^^
明日はいよいよ雪も降る?だとか。。。冬がくるんだなぁ、、、
でも冬は冬で星空は美しいですよね。寒くて大変だけど、
春になったら、きっとまた燕が温かな風を連れて戻ってくるんだな^^
窓に紡いだ言葉と、そしてその下に置いた
「時の本」も、是非一緒に見て頂けると嬉しいです^^






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